世界最大の画角 NIKKOR 13mm F5.6
임시 공개 게시판
2008. 12. 21. 14:31
![]()
佐藤治夫 ![]()
第九夜は、一眼レフ用超広角レンズとして、世界初にして世界最大の画角を有した F マウント用交換レンズ、「NIKKOR 13mm F5.6」を取り上げます。 このレンズは、通常の射影方式における35mm(135)判一眼レフ用超広角レンズ中で、世界一の画角(2ω=118度)を持っています。この記録は21世紀を迎えた現在も塗り替えられていません。 ![]() ここで、「13mm F5.6」の変遷を追ってみましょう。 「NIKKOR 13mm F5.6」の発売(受注生産開始)は、昭和51(1976)年3月のことでした。当初から当時の新しい外観デザインで多層膜コートを採用した自動絞りレンズ群、所謂(いわゆる)"ニュー(new)ニッコール" のひとつとして登場しました。 また、近距離補正方式の採用で、無限遠から至近距離 0.3メートル までの撮影距離全域にわたってシャープな結像を得たため、「他に類を見ないほどの大画角を有し、かつ高性能なレンズだ !」と絶賛されたと伺っております。 そして、この「NIKKOR 13mm F5.6」は、昭和52(1977)年6月に AI(開放 F 値自動補正方式)化され、「AI Nikkor 13mm F5.6」として再登場します。 更に、昭和57(1982)年3月に「AI Nikkor 13mm F5.6S」となりました。以降、販売終了まで基本設計は不変で、20年以上にもわたるロングセラーでした。 ![]() 「NIKKOR 13mm F5.6」の光学系を設計したのは、当時の光学部第一光学課の 森 征雄(もり いくお)氏です。 森 氏は第一夜でご紹介した 脇本 善司 氏の右腕的存在でした。森 氏の設計したレンズは主に、F 用の超広角ニッコール各種、PCニッコール、ブロニカ用ニッコール、大判用ニッコールレンズ、引伸ばし用エルニッコール......と、バラエティに富んでいます。 私も最近まで一緒にお仕事をさせて頂きましたが、気さくで温和な方でした。また、森 氏のレンズ設計に対する知識と洞察力の深さには目を瞠(みは)るものがありました。森 氏の設計にまつわる逸話が伝わっていますので幾つかご紹介いたします。 ![]() ひとつめは、旧「EL-NIKKOR 50mm F2.8」(脇本 氏が設計)(写真・図:左下)を改良し「EL-NIKKOR 50mm F2.8N」(写真・図:右下)を設計したときのエピソードです。 森 氏があまりにも見事に改良設計したので、あの名レンズ設計者 脇本 氏が「森君にはシャッポをぬぐよ(脱帽するよ)!」と言ったというお話です。 ![]()
もちろん、旧「EL-NIKKOR 50mm F2.8」も名レンズですし、脇本 氏も苦労をして脇本タイプ(エルニッコールタイプ)を発明したのですが、いくら時代が違うからと言っても予想以上に改良設計してしまった 森 氏へは「まいりました」のひと言しかなかったようです。 ![]() また、ふたつめに、第五夜「AI Nikkor 105mm F2.5」で登場したニッコールオートの生みの親のひとり、清水 義之 氏は「あの超広角13mm は設計不可能だと思っていたよ。森 さんは素晴らしい設計者だ」と述懐していました。 ![]() そんな逸話の主の 森 氏も数年前に定年退職されてしまいました。 ![]()
日本の名設計者は一般に知られる事があまりありませんが、その足跡は光学設計報告書、開発履歴、ノート、パテント等によって辿(たど)ることができます。 「13mm F5.6」は、「Auto NIKKOR 15mm F5.6」(昭和48(1973)年)や「NIKKOR 18mm F4」(昭和50(1975)年)などをさらに広角化する目的で設計したのだろうと思われがちですが、実は違うのです。 森 氏は1970年より前から13mm、15mm、18mm の各焦点距離、F3.5~F8 の各絞りといった条件を設定して、さまざまなスペックの超広角レンズを並行して設計していたのです。当時の 森 氏の光学設計報告書には、各レンズの独創的なレンズタイプが示されています(なんと、非球面を用いたものまで検討していました)。 それらの中から、数回の試作を重ね「15mm F5.6」、「18mm F4」、「13mm F5.6」の順で商品化を決定したようです。 ![]() 森 氏の「13mm」の開発履歴を、より詳しく辿っていきましょう。 当初は「13mm F8」というスペックで開発を進め、設計は昭和46(1971)年には完了し、同年3月に試作図面を出図しています。その後の詳細は不明ですが、「13mm F8」は商品化には至りませんでした。 そして更なる設計改良をおこない、より明るい「13mm F5.6」を昭和48(1973)年に試作し、昭和52(1976)年3月には発売(受注生産)になりました。 また、森 氏はこの超広角レンズの発明を昭和46(1971)年に特許出願し、米国特許(U. S. PAT.)を1973(昭和48)年に取得しています。この超広角レンズは、新しいレンズタイプの発明として認められたのです。 当時はレンズ設計にやっと本格的なコンピュータが導入された時期ですが、現在のパソコンよりもはるかに劣る性能で、まだまだ膨大な演算時間がかかり、十分なシミュレーションは出来なかったことと思います。 ニッコールレンズに対する 森 氏の功績の大きさは計り知れません。 ![]() 1.レンズ構成と特徴![]()
2.描写特性とレンズ性能![]()
森 征雄(もり いくお)というひと![]()
![]()
![]() |
'임시 공개 게시판' 카테고리의 다른 글
ノクトの思想を受け継いだレンズ Ai AF Nikkor28mm F1.4D (0) | 2008.12.21 |
---|---|
もっとも明るい35mmレンズ Ai Nikkor 35mm F1.4S (0) | 2008.12.21 |
Noct-Nikkor の源流 NIKKOR-N 5cm F1.1 (0) | 2008.12.21 |
非球面によってサジタルコマフレアを補正 AI Noct Nikkor 58mm F1.2 (0) | 2008.12.21 |
Ai Noct Nikkor 58mm F1.2S (0) | 2008.12.21 |