Ai Noct-Nikkor 58mm F1.2S
Noct 가 Nocf 로 각인되어 더욱 레어템이 되어버린 최고의 명품 렌즈.
Nocf Nikkor (Noct のミス刻印)
Ai Noct-Nikkor 58mm F1.2S 焦点距離 58mm で F1.2 の明るさを持つ、精研削非球面レンズ(手作り)を採用した夜景・天体撮影用の特殊レンズ。一般のレンズでは開放絞り付近でで夜景等を撮影すると、電灯などの点光源が正確な「点」ではなく三日月状に描写される。これがいわゆる「コマ収差」であるが、特に大口径レンズなどで顕著に現れる。ノクトニッコールは開放絞りでもコマ収差を良好に補正してあり、夜景や天体写真などでは一般のレンズと比較して普通の人が見ても一目瞭然な差が出る。 ノクトニッコールは「夜景専用レンズ」との位置づけだが、一般的に夜景は三脚にカメラを固定し絞りを絞って撮影する為、絞り開放で撮影する事はほとんど無いだろう。ニコンがこのレンズを開発した背景には「手持ちでも」夕景・夜景がきれいに撮れるのを目的としたようだが、夜の街をブラブラしながら手持ちで撮影するならともかく、これだけでは「夜景用」レンズとしてはあまり実用的ではない。だが、実は真にその性能を発揮するのは天体撮影の時である。天体撮影は長時間露出が必要で、きれいに撮る為には高性能赤道儀を用いて正確に天体を追尾する必要がある。言い換えれば天体撮影をする場合、なるべく感度の高いフィルムと明るいレンズで露光時間を極力短くしたい。しかし露光時間を短くするには明るいレンズで絞りを開放付近で撮影する必要があり、一般の大口経レンズで撮影すると写真全体が著しいコマ収差の影響で全体的に渦を巻いたような写真になる。この為一般的には絞りを2段ほど絞って撮影するが、そうすると開放時の4倍の露出時間が必要になってしまう。ノクトニッコールはそう言ったギリギリの状況下でその真価を発揮するのである。このレンズを使って数々の夜景・天体写真を撮影してきたが、その描写には大変満足している。もちろん、いくらノクトニッコールでも開放では周辺に若干のコマ収差は出る。しかし1段絞ると魔法のように消え去る。
後玉の処理に注目。後玉の右側が削られている。これは恐らくマウントの仕様が理由。 余談だが、私のノクトニッコールはレンズに「Nocf-Nikkor」と刻印されている。これは工場で「t」と「f」を間違えた大変珍しいものだ。世界に数個しかないとの事で、プレミアが付いているとの話(笑)。 ノクトニッコール・コマ収差比較テスト
| Ai Noct Nikkor 58mm F1.2S 絞り開放(F1.2) 写真右下を拡大スキャン。一番下の写真と比較しても分かる通り、開放にもかかわらずコマ収差は良好に補正されていてほとんど確認できない。 |
| Ai Nikkor 50mm F1.4S 絞り開放(F1.4) 上の写真と全く同じ場所を撮影。同じく写真右下を拡大スキャン。コマ収差の影響で点光源の形状が著しく乱れているのが分かる。これが 50mm F1.2 だと更に顕著に現れる。 |
| Ai Noct Nikkor 58mm F1.2S 絞り F8 自動露出 絞りを F8 に設定してコマ収差を解消して撮影。点光源の形状は開放時とあまり変わらないのがご覧頂けると思う。 | 作例
Nikon F3HP/Ai Noct-Nikkor 58mm F1.2S 絞り開放(F1.2)、露出 10 秒、三脚固定 Fuji Provia 100
2002年6月に金星と木星が接近する天体現象があった。写真は丘の上からシアトルの夜景を全景に惑星達を撮影したもの。絞りは開放。点光源に気になるようなコマ収差は見られない。星像もしっかりしている。唯一開放で気になるのは周辺光量の不足。これは大口径レンズの宿命なので、仕方ないか。ちなみに1段絞るとほとんど解消する。 http://www.tarosworld.com/photography/Gears/Lenses/Nikkor/MF_Noct_58mm_F1.2/index.htm
| 正式な名称は、「Ai Noct Nikkor 58mm f1.2s」だと思います。 「Noct(ノクト)」という名称は、「Nocturne(ノクターン)=夜想曲」からとったとカタログに記載されており、標準レンズとしては極めて高価なレンズでした。
このレンズの特徴は、標準~広角系レンズで大きな問題となる、絞り開放付近のコマ収差がほぼ完璧に補正されており、無限遠の暗い点光源を撮影する天体写真撮影を行うために開発されたレンズなのです。
しかし、前述の通り、高価であったためどうしても購入できなかったのですが、1997年春に接近したヘール・ボップ彗星を撮影するために、思い切って購入しました。 新宿西口のヨドバシカメラで、約11万円で新品を購入したのですが、このレンズのおかげで非常に印象的な彗星の姿を写し撮ることができました。
ところで、このレンズ「Noct-Nikkor」の刻印、よ~く見てみてください。 「t」の文字がなんと「f」に誤植されているのです。
あるホームページで、ノクトニッコールのあるロットに誤植がある、ということがあり、「切手の印刷ミスみたいなものかなぁ」と思い、自分のレンズを見ると、なんと!誤植レンズだった、という顛末です。 ただ、そのときの情報では、輸出のロットに誤植があったようなことが記載されていましたが、私の場合、生産中止直前の国内での購入ですので、案外所有者はいるのかもしれません。
ちなみに、銀座のレモン社でこのミス刻印ノクトを発見しましたが、50万円の値札が付けられており、唖然としてしまいました。 私の場合、天体写真での必携アイテムであるため、中古市場に出すつもりはありませんが、マニアの間での価格設定には驚かされます。 |
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http://www13.ocn.ne.jp/~mr-nabe/newpage4-2.htm 新しい世紀を迎え、お祝いに買ってみました、ノクフニッコール(Nocf NIKKOR) 本来はノクトニッコールなのですが、な~んと、最終生産時に、スペル(t→f)を間違った、珍しいミス刻印のレンズです。
ニコンでもMFレンズが、どんどん絶滅してゆく中、このNoct NIKKORは、夜間撮影用として、生産完了品となる事は非常に惜しまれました。 そんな中、「最後の生産だ!、がんばって作ろう!」と言ったかは知りませんが(^^;;、土壇場でミスをして、世の中に送り出してしまった様です。 このミスを知ったメーカーは慌てて、市場にあったレンズを回収し、直して出荷したそうです(未確認情報)。 また、このレンズは、ほとんどは海外輸出分だった様です。ただし、都内新宿Yカメラで購入した人もいる様で、今ひとつルートが解りません。
私が現認しているNocf製造番号は、192898(私物)、192934,192981の3本で、192262、193367(私物)はNoctです。 海外用、国内用の順、また切りのいいところ(~00)で番号が割り振られていると仮定すると、今のところ、
192801~193200 が Nocf NIKKOR と思っています。
本来、こんな事で有名にならなくても、非常に良いレンズだった事から、メーカーではシクシク泣いているかもしれません。 (もしかしたら、最後のオチャメで、笑っているのかもしれませんが・・・・)
いずれにしろ、夜間撮影用として、代わりのレンズが無い現在、30万円まで高騰したノクトニッコールですが、切手、紙幣と同様に、「エラーモノは倍付け」の理論から、今後も軽自動車の価格で取引される事になるでしょう。
見つけたら、迷わず、買いましょう!!
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